地元でも有名なTeaMasterのいる老舗茶屋 福建茶行(Fukien Tea Co.)

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Fukien Tea

香港の友人に勧められ訪れた上環にあるお茶屋さん、1952年創業の福建茶行。
ショーケースにはいろいろな茶葉が用意され、その中でも店のおすすめは烏龍茶の一種である鉄観音
この店の名前の由来でもある福建省は、烏龍茶、ジャスミン茶、白牡丹の産地として知られています。
鉄観音やジャスミン、白牡丹の他に年代物のプーアールなどもあり、量り売りしてくれるのでお土産にもおすすめです!

福建茶行のお茶

出迎えてくださったのは、元気でフレンドリーな楊さん。
この道60年のTea Master!
「お茶飲んでく?」と声をかけてくださり、中国茶の飲み比べをすることができました。

Holding tea leaves
〜Tea Masterの楊さん〜

まずはおすすめの鉄観音から。自家焙煎した6時間と60時間の茶葉の香りを比較。
慣れた手つきで、さぁ〜とお茶が用意されます。

楊さんは浦和の伊勢丹で販売したことがあって、片言の日本語と英語で説明してくれます。
「香港人は緑茶が好きでない。生茶だから体力のない老人は気絶する。」

マジで!? だったら日本の老人は・・・。
香港ではそう信じられているのね〜、と流しました。

<余談>
キプロスではお茶は病気の時に飲むものと信じられています。
本物の美味しい緑茶を飲む機会もなく、茶とつくものは人気がありません。

Tea Master楊さんから茶葉のアドバイス

鉄観音は3、4杯目が一番美味しく、6杯まで飲めるということです。
日本の湯呑み茶碗の容量は多いので、この回数は当てはまりませんね。

楊さんに入れていただいた焙煎6時間の鉄観音はフレッシュでとてもよい香り。癒されます。
焙煎60時間の方は、香ばしく、あと味に甘味を感じました。

「焙煎6時間の方は若い人好き、60時間は年配の人に人気があるけど、どちらが好き?」と楊さん。
「若くないけれど、6時間」と言ったあと、楊さんなんだか残念そう。

それもそのはず。60時間の長時間焙煎には技と忍耐が必要のようです。
鉄観音を自家焙煎しているお茶屋さんも、今では少なくなっている香港。
60時間焙煎の鉄観音は、自慢の逸品だったのですね。

「プーアールも飲んでみる?」と楊さん。
鉄観音と烏龍茶は香りを楽しむお茶だからカップが小ぶり。
ひと回り大きめのカップに変わり、10年物のプーアールを頂きました。

「プーアールは2〜3年以上経ったものを買った方がいいよ。
そうでないと、酸味があり苦いからね。発酵はとまってないから密閉容器ではなく常温保存で大丈夫。
茶葉は少なめで、10回まで飲めるよ。入れていくうちに色はどんどん濃くなるけれど、味はまろやかになっていくんだ。消化にいいお茶だよ。」と楊さん。

自宅で茶葉が熟成されていくって、なんだか素敵♪

福建茶行の茶葉の価格 (2020年3月時点)

Fukien tea can

鉄観音(150g)

レトロ缶 HK$124
包装紙 HK$116
(6時間と60時間焙煎の金額が同じでいいんですか!?)

tea leaves

プーアール茶(100g)

22年もの HK$266
15年もの HK$133
10年もの HK$61
5年もの HK$24

楊さんのおススメは10年もの。
味、香り、価格とバランス的によいので、10年物を購入する顧客が多いようです。

中国茶の入れ方

沸騰したお湯を入れ、ほこりを落とすため一煎目は捨てます。
二煎目は10秒おいてから湯呑みに注ぎます。
(楊さんはその都度、湯を沸騰させてました。お茶は温度が大事!)

プーアールを購入すると、餅茶を軽くほぐしたものが入っています。
ご自宅で飲む際は、細かくでなく、軽く崩して急須に入れてください。

今回は6時間焙煎の鉄観音と15年物のプーアールを購入。
飲み比べができる店は、自分の好みが見つかり納得して買えるのが嬉しいサービス。
他の店にも行きましたが、そのようなサービスはありませんでした。

地域に根差したこのお茶屋さんは、固定客も多く、試飲している間も茶葉を求めにひっきりなし。
他の茶屋では感じない居心地のよさがあり、Tea Master楊さんの説明つきで美味しいお茶をいただいた小一時間。
奥の深い中国茶を知るきっかけになるよい店です。

福建茶行への行き方

Sheung Wan

最寄駅:MTR上環駅 (ションワン)出口A2から歩いて1分。
出口A2を出たら、パン屋さん側に渡ります。

Bonham Strand


パン屋を通り過ぎ、道が4方向に伸びているので、左から2本目の道 (両替所の左側の道)を少しいくと看板が見えてきます。

このあと、福建茶行から目と鼻の先にあるドライフルーツ店に寄るのはいかがでしょう。

その昔、中国茶の文化が始まった頃、お茶請けは点心ではなくドライフルーツやナッツでした。
茶葉とセットでプレゼントするのも素敵なお土産♪

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