[香港]飲茶を楽しむためのマナー!入店から注文の仕方までを解説

4 min
Lin Heung Kui

今から20年ほど前のこと、香港人の友人に「現地の人が行く飲茶屋さんに行きたい!」とお願いして連れて行ってもらったのが、セントラルにある超老舗、蓮香樓。(現在は蓮香茶室)
今では数少ない伝統的な飲茶レストランの一つです。

行く前に「本当にローカルな店でいいの?!?」と念を押され、その時はどうしてそんなことを聞かれるのか見当もつきませんでした。
でも行ってみると・・・初めての色いろに圧倒され固まったことを覚えています。

そんな昔の私のように固まらずに済むように、ここでざっくりと心の準備をしておきましょう。
特に伝統的な飲茶店に初めて行く方は必読です!
飲茶のマナーを知って、飲茶時間を楽しみましょう♪

なぜ固まったのか?
  • 丸テーブルでの相席、丸イス
    (相席はなんだか落ち着かない。荷物置くスペースない。)
  • お茶で食器を洗う
    (これで汚れは落ちるのか?!しかもなんでお湯じゃなくてお茶で洗う?)
  • 食器は洗ったけれど、どう拭くの?
  • 固く絞られていないタオルでテーブルの食べかすを一気に拭くおじさん
    (台拭きの形をしてないあのタオルはその都度洗われているのか。でもって、テーブルに水あとついてるんだけれど・・・このまま?)

そして20年後にふたたび訪れたこの店は、昔と何も変わっていない。
ただ私の許容範囲が広くなったようです。

コロナウィルス後、今ではどこの店も衛生面で改善された気がします。

Lin Heung Tea House

入店から席に着くまでの流れ

入店したら、フロアで席をしきっているスタッフがいるので人数を伝えて、案内された席に座ります。
ゲイドウワイ?(何人)」
庶民的な店ではおばちゃんが奥から叫びます。
「二人」とピースサイン。

高級店以外、こちらでは相席が普通です。
もし相席で先に座っている方がいたら、軽く挨拶するのもいいですね。
こちらが外国人だとわかると、気にかけてくれる親切な香港人が多いです。
言葉が通じなくても、居心地の良い楽しい食事の時間になるかもしれません。

席についてからの流れ

Lin Heung Kui

「ヤムメイチャア?」
お茶は何にするか聞かれます。
定番はプーアル茶 (ポウレイ)、寿眉茶 (サウメイ)、ジャスミン茶 (ホンピン)、鉄観音茶 (ティックンヤム)。

質問に答えられなかったら、きっとジャスミン茶を持って来ます。
「外国人にはジャスミンティーを出せば失敗しない」ローカル飲茶店のあるある。

Lin Heung Kui

湯の入ったポットと、茶葉の入ったポットを二つ持って来ます。
昔ながらの店では、茶葉の入ったポット一つだけ。

「お湯たしてくださーい」の合図は、蓋を半開きにすることと。

ちなみに、香港でお茶をつぐのは年下またはジュニアの役割だそうですよ。

洗杯(サイプイ)〜食器を自分でゆすぐ!?

もしテーブルにガラスのボールか陶器の容器が置かれていたら、食器を洗いましょう!
中皿以外の食器を、茶もしくは湯でゆすぎます!
たいてい人数分の食器を誰かがまとめて洗います。

昔は衛生面に問題があったので、自分が使う食器を茶ですすいでいました。
今はそれほど心配する必要はありませんが、伝統的な飲茶店では慣習が続いています。

なぜ茶でゆすぐのか?

茶葉のほこりをとるため、一煎目の湯は捨てます。
その捨てる茶で食器をゆすぎます。
「茶葉のほこりはいいの?」とツッコミたくなりますが小さい事は気にしない!

その後のぬれた食器はどうするのか?
自然乾燥です。食器もテーブルも濡れたまま。
気にしない。・・・そう、気にしない。そうのうち乾きます(笑

Saam Hui Yaat

どの食器を洗うの?

箸、レンゲ、湯呑み茶碗、碗の順で私はゆすぎますが、観察してみると皆さんいろいろです。
箸やレンゲを一番最後に洗っていたり、中皿まで洗い流していたり。

通常、中皿は洗いません。
でも一度だけザバッとすすぐ豪快なおじさんを見ました。
浅いのに「こぼさず、お見事!」と内心感心 (笑

House of Jasmin

なぜ中皿を洗わなくてよいの

碗と中皿は分けて置かず、この状態で食事をします。
中皿はカップソーサーの役割と言えばイメージしやすいでしょうか。
このソーサーには、骨や紙などを置くだけなので、すすぐ必要はありません。
碗や皿が汚れたら替えてもらいましょう。

どうやって洗うの?

以前、隣のテーブルにいた若い男の子が、四人分の食器を洗杯しているのを見ました。
ボールにまず一つ茶碗を入れ、四人分の箸をその茶碗の上に真っ直ぐ立て、箸に沿うように茶を流していました。
それはまるでお手前をみているようで、とても美しい所作でした。

郷に行っては郷に従えで、自分流に楽しんでみて下さい。

点心の注文の仕方

メニューを見れば、あれもこれも〜と食べたい点心がたくさんあるでしょう。
でも残念なことに胃袋はひとつ。
食後も動きやすい点心の量は、二人で3〜4皿を目安に注文するといいですよ。
揚げ物やご飯ものは量があるので加減するといいですね。

West Villa Restaurant

レストラン&点心専門店

メニューがオーダーシートになっているので、チェックもしくは数字を入れて渡します。

デザートにもチェックを入れて注文すると、食事の間に運ばれてきてしまうので
「最後に食べたい!」という方は、食事が終わる頃に再オーダーしましょう。

Lin Heung Kui

ワゴンサービスのある店

ワゴンが側に来たら、欲しい点心を指で差して選び、伝票をおばちゃんに渡してスタンプを押してもらいます。

セイロの中身がわからない場合は、指差しで「これは何?」と聞いてみてください。
(セイロの蓋を勝手にはあけないよ〜に!)

Metropol Restaurant

また焼き物コーナーがある場合は、注文しに行きます。
待っている間に、好きなソースを小皿に入れておきましょう。
(おススメはチリソース!)

Lin Heung Kui

伝票には小、中、大、特、頂と書かれていますが、これは点心の価格帯です。

この店では価格を5段階表示。
点心によってスタンプの押される場所が変わります。
またワゴンサービスではなく、トレーで売りに来る場合があり、それは別メニューなので、伝票の裏に金額が書かれます。

店の広さに対してワゴン数が足りない飲茶店もあります。(時間帯にもよる)
その時はガンガンワゴンまで取りに行って下さい。
待っていてはいつまでたっても食べたい点心にありつけません。

他のお客さんも同じ。みんなお腹すいてるからワゴンに群がります。
ワゴンに来た順という暗黙のルールはここには存在しません😅
そして点心の名前を知っている人が、自動的に優先になります。
やっと自分の声が届くときには、人気のある点心は残ってない〜ということもあるので頑張って!

点心の食べ方について

箸が使いづら〜い!(飲茶店に限らず)
重くて、手に当たる部分が丸じゃなくて四角、先が尖ってないから使いづらいのです。
そんなに長くなくていいから軽くして〜!といつも思います。(特に麺類)

そんな箸ですから、もしサイズが大きい点心を食す時はスプーン代わりにレンゲをうまく使いましょう。
箸だけで上手に食べようとしなくて大丈夫。
自分の碗にとる時も、箸でつかみレンゲで下から支える。
口に運ぶ時も同じ。点心を一口で食べるのは、女性には難しいです。
汁がこぼれたり、鶏の脚が箸から滑って落ちることもなくなります。
使いこなすと、なかなか便利なレンゲです♪

点心には味がついています。
ソースがあった方がよい点心には、ソースが一緒についてきます。
人の味覚も様々です。普段から濃い味に慣れている方にとっては、薄いな〜と感じる点心もあるかもしれませんが、素材の味をまずはここでは楽しんでみましょう。

支払い方法について

伝票には注文した食事と人数分のお茶代が含まれます。
お茶代は店によって異なりますが、一人当たりザッとHK$4~20でしょうか。
中国茶専門店では、だいたいHK$55〜です。

コスパの良い店と庶民的な店:支払いはCash Only! 現金のみ。またはオクトパスカード。
高級&普通店:10%のサービス料が加算されますが、クレジットカードでの支払いが可能です。

「飲茶を楽しむためのマナー」いかがでしたでしょうか。
これで初心者さんもドギマギすることなく伝統的な飲茶店でも楽しく食事ができると思います。

飲茶と一口でいっても実はいろいろな店のタイプがあります。
自分好みの飲茶店を見つけたい方は、失敗しない店選び〜タイプ別で自分の好みの店をみつけよう!を参考にしてください。
お気に入りの飲茶店が見つかるといいですね。Enjoy〜♪

関連記事